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実家の片付けの進め方|順番・期間・費用の目安

実家の和室に段ボール箱とたたんだ衣類が並び、片付けを進めている様子

本記事はプロモーションを含みます。

実家の片付けは、①家族で「誰が・いつまでに・どこまで」を決める → ②通帳・権利証・遺言書などの大事な物を探す → ③残す・売る・譲る・捨てるに分ける → ④自治体のごみと家電リサイクルで出せる物を出す → ⑤残りを業者に見積もってもらう、の順で進めます。大事な物を探し終えるまでは、捨てる・売るをしないのがいちばんの決まりです。

かかる期間は、家の広さより「期限」で決まります。親が亡くなった後なら、相続を放棄するかどうかを決める3か月(民法第915条第1項)が最初の区切りで、それまでは家財を売ったり捨てたりしないようにします。費用は、自分で出すなら粗大ごみの手数料や家電のリサイクル料金、業者に頼むなら家財の量と頼む作業の範囲で変わります。

親が住んでいる実家なら、まず片付けたいのは寝室と通り道です。東京消防庁によると、2024年(令和6年)に東京消防庁の管内で「ころぶ」事故で救急搬送された65歳以上の人は73,500人で、場所は住宅などが最も多く、そのうち9割以上が屋内でした。

この記事では、実家の状況ごとの始め方、期限から逆算した進め方、自分で出すときと業者に頼むときの確かめ方を、法令と公的機関の資料をもとにまとめています(参照日:2026年10月19日)。

タップできる目次

実家の片付けは5つの順番で進める

実家の片付けは、決める → 探す → 分ける → 出す → 頼むの5つの順番で進めます。先に捨て始めると、通帳や権利証、遺言書のように後で必要になる物を一緒に出してしまうおそれがあるためです。

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順番やることポイント
1. 決める誰が・いつまでに・どこまで片付けるかを家族で決める決めたことは家族の連絡のグループなどに書いて残す
2. 探す通帳・印鑑・権利証・保険証券・年金の書類・遺言書・鍵を探す見つけた物は1つの箱にまとめ、捨てる物と混ぜない
3. 分ける残す・売る・譲る・捨てるの4つに分ける迷う物は「保留」の箱に入れ、見直す日を決める
4. 出す自治体のごみ・粗大ごみ・家電リサイクルで出せる物を出す申し込み方法と手数料は市区町村ごとに違う
5. 頼む残った物を業者に見積もってもらい、比べて頼む許可と見積書の内訳を確かめる
実家の片付けの5つの順番:決める・探す・分ける・出す・頼む
実家の片付けの5つの順番(本文の表を図にしたもの)

部屋の順番は、親が住んでいる家なら寝室と通り道(玄関・廊下)から、親が亡くなった後の家なら書類や貴重品がしまわれていそうな場所(寝室のタンス・仏間・机の引き出し)から始めるのが、編集部の考える目安です。どちらの場合も、思い出の品が多い押し入れや物置は、作業に慣れてから最後に回すと手が止まりにくくなります。

実家の状況で、最初にやることが変わる

同じ実家の片付けでも、親が住んでいるか、施設に入って空いているか、亡くなった後かで、最初にやることと気をつけることが変わります。

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実家の状況最初にやること気をつけること
親が住んでいる寝室と通り道の床に置いた物を減らす親の物を捨てるかどうかは親が決める
親が施設に入った・入院している家に戻る見込みと、家をどうするかを親と話す親の財産なので、売る・捨てるは親の考えを確かめてから
親が亡くなった相続人を確かめ、相続を放棄するかを決める決めるまでは家財を売ったり捨てたりしない

親が住んでいる実家は、寝室と通り道から

東京消防庁の「救急搬送データからみる高齢者の事故」によると、東京消防庁の管内(稲城市と島しょ地区を除く東京都)で2024年(令和6年)に「ころぶ」事故で救急搬送された高齢者(65歳以上)は73,500人でした。発生場所は「住宅等居住場所」が最も多く(42,180人)、そのうち屋内が39,053人と9割以上を占めます。住宅の中では「居室・寝室等」が最も多く、次いで「玄関・勝手口等」「廊下・縁側・通路」の順でした。

東京消防庁は、ころぶ事故を防ぐために、電源コードが通路にかからないよう電気製品の配置を工夫することや、段差のある場所・階段・玄関に手すりや滑り止めを付けることを勧めています。床に置いた物や通路をまたぐコードを片付けることは、そのまま転ぶ事故の予防になります。

親が住んでいる家の物は、親の物です。「捨てる」から話を始めると話が止まりやすいので、編集部としては、まず「ころばないように通り道を空けたい」と目的を伝え、捨てるかどうかは親に決めてもらう進め方をおすすめします。

親が亡くなった後は、相続を決めるまで売らない・捨てない

民法は、相続人が相続財産の全部または一部を「処分」したときは、相続を単純承認したものとみなすと定めています(民法第921条第1号。保存行為などは除く)。単純承認とみなされると、あとから相続を放棄できなくなります。親に借金があるかもしれないときは、家財を売る・捨てる前に、相続をどうするかを先に決めます。

相続を放棄するかどうかは、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に決めるのが原則です(民法第915条第1項。家庭裁判所に申し立てて、この期間を延ばしてもらうこともできます)。放棄するときは、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てます(裁判所「相続の放棄の申述」)。

放棄した後も、放棄の時に相続財産を現に占有している人は、次に相続する人などに引き渡すまで、その財産を保存しなければなりません(民法第940条第1項)。放棄するから片付けなくてよい、とはならない点に注意してください。どこまでが「処分」に当たるかは物の価値や行為によって変わるので、放棄を考えているなら、家財を動かす前に弁護士・司法書士などに相談するのが安全です。

期間は「いつまでに」から逆算する

実家の片付けにかかる日数は、家財の量・手伝える人数・通える回数で大きく変わるため、何日で終わるとは一概に言えません。先に「いつまでに」を決め、そこから逆算して帰省や業者の予定を組みます。親が亡くなった後は、法律で決まった期限が目安になります。

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期限手続き片付けとの関係
3か月以内相続の承認・放棄を決める(民法第915条第1項)決めるまで家財を売る・捨てるを止める
4か月以内亡くなった人の所得税の申告(準確定申告。所得税法第125条第1項)申告に使う書類を、片付けの前に探しておく
10か月以内相続税の申告(相続税がかかるとき。相続税法第27条第1項)家具などの家財(家庭用動産)も評価の対象になる(財産評価基本通達128・129)ので、申告が要るかを確かめてから処分する
3年以内相続登記の申請(不動産登記法第76条の2第1項)家を売るか残すかで、片付ける範囲が変わる

4か月と10か月は、亡くなったことを知った日の翌日から数えます。準確定申告は亡くなった人がその年の確定申告をする必要があった場合、相続税の申告は遺産が基礎控除額を超えて相続税がかかる場合に必要です。相続登記の3年は、相続で家を取得したことを知った日から数えます。

親が住んでいる家や、施設に入って空いている家には、こうした期限はありません。その場合は「次の帰省」「年末年始」など、家族が集まれる日を区切りにすると決めやすくなります。

帰省の回数で組む(編集部の目安)

  1. 1回目:家族で方針を決め、大事な物を探す。実家のある市区町村の粗大ごみの申し込み方法と、近くの買取店・業者を調べておく
  2. 2回目:部屋ごとに、残す・売る・譲る・捨てるに分ける。売る物は買取の査定を頼む
  3. 3回目:粗大ごみ・家電リサイクルで出せる物を出す。残る物の量を見て、業者に見積もりを頼む
  4. 4回目:業者の作業に立ち会い、最後に家の中を確かめる

家財が多い家や、遠くて帰省の回数を取れないときは、2回目のあとに業者の見積もりを前倒しすると、全体の期間を短くできます。

親が亡くなった後の片付け(遺品整理)を始める時期の考え方は、遺品整理いつやる?タイミングと心構えを解説にまとめています。

残す・売る・譲る・捨てるの分け方

分けるときは、残す・売る・譲る・捨てるの4つの箱(または部屋の一角)を用意し、1つずつ入れていきます。売れる物と譲る物を先に抜いておくと、捨てる量とその費用が減ります。

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分け方主な物気をつけること
残す通帳・権利証などの書類、写真、形見にしたい物相続人が複数いるときは、形見分けの前に全員で話す
売る家具・家電・貴金属・着物・骨董・ブランド品買い取りをする店は、古物商の許可を受けている
譲るまだ使える家具・食器・本譲る相手に引き取りの日を決めてもらう
捨てる日用品・壊れた家具や家電自治体のごみか、許可を持つ業者で出す

中古品の売買を仕事にするには、都道府県公安委員会の許可(古物商の許可)が要ります(古物営業法第3条)。国民生活センターは、遺品を買い取ってもらうときは「古物商許可証」や「行商従業者証」を確かめるよう勧めています(見守り新鮮情報 第525号)。

捨て方に手順がある物は、それぞれの記事にまとめています。

自分で出すなら、自治体のごみと家電リサイクル

自分で出すなら、市区町村のごみ・粗大ごみに出すのが、費用をいちばん抑えやすい方法です。粗大ごみの申し込み方法と手数料は市区町村ごとに違うので、実家のある市区町村のページで確かめます。手数料の例は空き家の片付け費用はいくら?間取り別の目安と安くする順番にまとめています。

家電4品目は家電リサイクルで出す

エアコン、テレビ(ブラウン管・液晶・有機EL・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象です(特定家庭用機器再商品化法施行令第1条)。小売業者は、自分が過去に売った物と、買い替えのときに同じ種類の物の引き取りを求められたときは、引き取らなければなりません(同法第9条)。経済産業省の案内では、同じ品目に買い替えるなら新しい製品を買う店に、買い替えないなら処分する製品を買った店に引き取りを頼みます。買った店が分からないときは市区町村の案内に従い、郵便局でリサイクル料金を払って、指定引取場所に自分で持ち込む方法もあります(経済産業省「家電4品目の『正しい処分』早わかり!」)。

店に引き取ってもらうときは、メーカーや品目ごとに違うリサイクル料金と、店ごとに違う収集運搬料金がかかります。自分で指定引取場所に持ち込むなら、収集運搬料金はかかりません(経済産業省「家電リサイクル制度FAQ」)。

パソコンはメーカーの回収へ

パソコンは、資源有効利用促進法によってメーカーに回収とリサイクルが義務づけられていて、家庭で使っていたパソコンはメーカーに回収を申し込めます。市区町村などの小型家電リサイクルの回収を使うこともできます(経済産業省「パソコンのリサイクル」)。

2003年(平成15年)10月以降に売られた家庭向けのパソコンには「PCリサイクルマーク」が付いていて、マークの付いたパソコンは新たな料金を払わずに出せます(パソコン3R推進協会「PCリサイクルマークについて」)。マークが無くても、家庭で使っていた物なら無料で回収される場合があるので、メーカーに問い合わせます。出す前に、中の写真や連絡先などのデータを家族で確かめておきます。

費用の目安は、出し方で変わる

実家の片付けの費用は、自分で出すか、業者に頼むかで大きく変わります。どの出し方に、どんなお金がかかるかを先に知っておくと、見積もりを比べやすくなります。

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出し方かかるお金金額の決まり方
自治体の粗大ごみ1点ごとの手数料品目と市区町村で決まる
家電リサイクルリサイクル料金と、運んでもらう料金リサイクル料金はメーカー・品目で、収集運搬料金は引き取る店で決まる(自分で持ち込めば収集運搬料金はかからない)
買取かからない(買い取り額を受け取る)品物の状態と、その店の査定で決まる
業者に頼む作業の料金家財の量・作業の人数・建物の条件で決まる

業者に頼んだときの間取り別の目安は、公的な参考値と広告主の事例を空き家の片付け費用はいくら?間取り別の目安と安くする順番で比べています。

業者に頼むなら、許可と見積書を確かめる

家庭から出るごみ(一般廃棄物)を集めて運ぶ仕事をするには、市区町村長の許可が要ります(廃棄物処理法第7条第1項)。市区町村から委託を受けて集めて運ぶ業者は、この許可が無くてもよいとされています(同法施行規則第2条第1号)。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できないとしています(環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。チラシやサイトに「許可あり」と書いてあっても、どの許可かまで確かめます。

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頼みたいこと頼む先確かめる許可
不用品をまとめて運び出してほしい不用品回収業者実家のある市区町村の一般廃棄物処理業の許可、または市区町村の委託
売れる物を買い取ってほしい買取店・リサイクルショップ古物商の許可(都道府県公安委員会)
遺品の仕分けから任せたい遺品整理業者運び出しや買い取りをするなら、上の2つと同じ

見積もりで確かめること

国民生活センターは、不用品回収で「安価な定額パックを申し込んだはずが、作業終了後に高額な料金を請求された」といった相談が目立つとして、市区町村の許可を受けずに回収する事業者に注意を呼びかけています(2022年11月2日公表)。不用品回収サービスの相談は、2018年度の1,354件から2021年度の2,231件に増えました。遺品整理のサービスでも、作業のときに予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された事例があります(2018年7月19日公表)。

国民生活センターの助言(2025年10月30日の見守り新鮮情報 第525号と上の2つ)をもとに、見積もりで確かめることをまとめました。

  1. 許可:運び出す業者が、実家のある市区町村の委託業者か、一般廃棄物処理業の許可を受けているか。市区町村の窓口に問い合わせて確かめられる
  2. 複数の見積もり:作業の内容や料金は業者によってさまざまなので、必ず複数の業者から見積もりを取って比べる
  3. 作業の内容と料金:作業日・具体的な作業内容・料金・支払い方法を明確に出してもらい、追加料金がかからないかを確かめる
  4. キャンセル料:解約したときにいくらかかるかを、頼む前に確かめる
  5. 当日の請求:事前に聞いていない高額な料金を請求されたら、後日納得した金額で払う意思を示しつつ、その場での支払いを断る。困ったときは消費者ホットライン「188」に相談する

不用品回収のトラブルの事例と防ぎ方は、不用品回収でぼったくられた事例と対処法や返金されるケースと危険な不用品回収業者の詐欺やトラブルを防ぐ方法に、不用品回収業者を使うときの良い点・気をつける点は不用品回収業者の特徴と利用するメリット・デメリットにまとめています。

よくある質問

  1. 実家の片付けは誰がやるものですか?

    親が住んでいる家の物は親の物なので、親と一緒に、捨てるかどうかは親が決める形で進めます。親が亡くなった後は、家財も相続財産なので、相続人どうしで話し合って分担を決めます。相続を放棄した人も、放棄の時に相続財産を現に占有していれば、次に相続する人などに引き渡すまで、その財産を保存しなければなりません(民法第940条第1項)。

  2. 実家の片付けがしんどいときは、どうすればいいですか?

    一度に全部を終わらせようとせず、「次の帰省ではこの部屋だけ」のように範囲と期限を小さく区切ります。思い出の品は「保留」の箱に入れて後に回し、運び出しのように体力の要る作業は業者に任せる部分を作ると、負担が減ります(編集部の考えです)。

  3. 亡くなった親の家の片付け費用は、どのくらいかかりますか?

    家財の量・頼む作業・建物や立地の条件で変わるので、現地で見積もってもらって確かめます。間取り別の目安は、空き家の片付け費用はいくら?間取り別の目安と安くする順番で、公的な参考値と広告主の事例を比べています。自分で出せる物を先に出すと、業者に頼む量が減ります。

  4. 親が片付けを嫌がるときは、どう話せばいいですか?

    「捨てる」から話を始めず、「ころばないように通り道を空けたい」と目的から伝えます。東京消防庁の資料では、高齢者が住宅の中でころぶ事故は「居室・寝室等」「玄関・勝手口等」「廊下・縁側・通路」の順に多く、電源コードが通路にかからないよう配置を工夫することが勧められています。捨てるかどうかは親に決めてもらい、床の物を棚や箱に移すところから始めると進めやすくなります。

  5. 遠くに住んでいて、実家に何度も通えません。

    帰省の回数から逆算して、1回目で方針と大事な物、2回目で仕分け、3回目で運び出しと決めておきます。通える回数が少ないときは、仕分けが終わった時点で業者に見積もりを頼み、運び出しを任せると期間を短くできます。見積もりや作業に立ち会えないときの鍵の受け渡しなどは、頼む前に業者に確かめます。

  6. 相続放棄を考えています。実家を片付けてもいいですか?

    相続人が相続財産を処分すると、単純承認したものとみなされ、放棄できなくなります(民法第921条第1号。保存行為などは除く)。どこまでが「処分」に当たるかは物や行為によって変わるので、家財を売ったり捨てたりする前に、弁護士・司法書士などに相談してください。放棄は、相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てます。

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