本記事はプロモーションを含みます。
古いカセットボンベは、①缶底の数字で製造年を確かめ、②製造から約7年を過ぎた缶やさび・変形のある缶はこんろに付けず、③中身を出し切ってから、④お住まいの市区町村の分け方で出します。中身が残った缶に穴をあけてガスを抜くことは、どこに住んでいてもしません。業界団体の日本ガス石油機器工業会が「絶対にしないでください」と警告しています。空になった缶に穴をあけるかは自治体で分かれていて、今回確かめた7市区のうち、長野市だけが「使い切ってからあける」としていました。
2026年11月2日に発足した防災庁は、同じ日に「事前防災徹底のための緊急要請」を出し、水や食料を「最低3日間、できれば1週間分」備え、携帯用トイレなども用意するよう呼びかけました(防災庁「事前防災徹底のための緊急要請」)。備蓄を見直して古い缶が出てきたときに、この記事の順で片付けてください。
この記事で紹介した期限・出し方・自治体の分け方は、2026年11月2日に確かめた時点のものです。
| 缶の状態 | どうするか |
|---|---|
| 製造から約7年以内で、さび・変形がない | ふだんの料理やお湯を沸かすのに使い切り、新しい缶と入れ替える |
| 製造から約7年を過ぎた/製造年が分からない | こんろに付けない。屋外で中身を出してから、自治体の区分で出す(中身の出し方) |
| さび・変形・ゆがみがある | こんろに付けない。中身の出し方に不安があれば、メーカーかお客様センターに聞く(相談先) |
| 期限切れの未使用の缶がたくさんある | 自分で何本もガス抜きをする前に、メーカーかお客様センター、自治体に相談する(相談先) |
実家の片付けなどで、ボンベと一緒に家具や家電もまとめて片付けたいときは、不用品回収の見積もりを比べる方法もあります。ボンベは先に中身を出して自治体の収集に出し、業者には家具や家電などの大きな物を頼む、と分けると段取りがはっきりします。
【PR】一括見積もりなら不用品回収の窓口
不用品回収の窓口は、1回の入力で複数の不用品回収業者に見積もりを頼める一括見積もりのサービスです。利用は完全無料と案内されています(公式サイトの記載)。
不用品回収は、業者ごとに料金の出し方や追加料金の決まりが違います。同じ品目・量・日時で見積もりを並べると、総額で比べやすくなります。紹介された業者にも、お住まいの市区町村の許可か、ごみを運ぶ許可業者と契約の形を聞いてください。
カセットボンベの使用期限は製造から約7年
カセットボンベの使用期限の目安は、製造から約7年です。日本ガス石油機器工業会は「製造後、約7年以内に使い切ってください」、岩谷産業も「使用期限の目安は、製造から約7年」と案内しています(日本ガス石油機器工業会・岩谷産業)。使っていなくても、ガス漏れを防ぐゴムの部品が年月とともに古くなるためです。
カセットこんろ本体の目安は約10年です(農林水産省の家庭備蓄のガイド)。日本ガス石油機器工業会は、約10年以上たったこんろは買い替えを考えるよう呼びかけています。こんろの製造年は、本体の側面などに貼られた定格銘板のシールに「13.04」(2013年4月)のように書かれています(同会)。
ボンベの製造年の見方
製造年月日は、缶の底(製品によっては缶の上部)に数字で印字されています(日本ガス石油機器工業会)。数字の桁で読み方が変わります(岩谷産業)。
| 印字 | 読み方 |
|---|---|
| 8桁(19・20で始まる) | 西暦4桁+月日。例:20170511=2017年5月11日製造 |
| 8桁(それ以外) | 西暦の下2桁+月日+時刻。例:09112414=2009年11月24日14時製造 |
| 6桁 | 西暦の下2桁+月日 |
| 5桁 | 2003年以前の製造。西暦の下1桁+月日(例:91203=1999年12月3日製造)。どれも期限を大きく過ぎている |
岩谷産業の案内にある同社の缶の例です。8桁の2通りの見分け方は、例をもとに編集部が補いました。読めないときは、缶に書かれたメーカーに聞いてください。
缶の底のアルファベットは、製造年月日とは関係ありません。岩谷産業は「Hは平成ではありません」と書いています。2026年11月に見るなら、2019年11月より前の製造は7年を過ぎています。
使わないほうがよい缶
次の缶は、こんろに付けないでください。岩谷産業は、変形やゆがみがあるもの、先端や缶全体にさびが出ているものを「ガス漏れが起こるなど大変危険」としています(岩谷産業の注意書き(PDF))。国民生活センターも、製造から長期間(目安として7年)たったもの・製造年月日が分からないもの・金属部に変形や著しいさびがあるものは使わないよう呼びかけています(国民生活センター(2026年7月22日))。
- 製造から約7年を過ぎた缶
- 製造年月日が読めない・見当たらない缶
- 変形・ゆがみのある缶
- 先端(ノズルのまわり)や缶全体にさびが出ている缶
捨てる前に中身を出し切る
ボンベは中身を出し切ってから捨てます。期限内でさびのない缶なら、こんろでお湯を沸かすなどして使い切るのが基本です(日本ガス石油機器工業会の防災備蓄ガイド(PDF))。期限を過ぎた缶、さびや変形のある缶、こんろが無くて使い切れない缶は、こんろに付けずに屋外でガスを抜きます。中身の残った缶は、ごみ収集車の火事のもとになります。東京消防庁の管内では、2024年に収集中のごみ収集車の火災が33件あり、火元はリチウムイオン電池関連の14件に次いで、エアゾール缶などが8件でした(東京消防庁)。
ガスを抜く場所は、火の気がなく、風通しのよい屋外の、人通りの無い所です。カセットボンベのガスは空気より重く、くぼみや囲まれた所、ベランダにはたまりやすいので、そこでは作業しません。近くでエンジンや電気製品など火花の出るものが動いていないことも確かめ、出てきたガスは吸わないようにします(日本ガス石油機器工業会「カセットボンベ廃棄時の『ガス抜き』のやり方」(PDF))。近くにそうした屋外が無いときは、自分で抜かずに相談先に聞きます。
手順は同会のチラシのとおりです。
- キャップを外して、ボンベを逆さまにする
- 先端のノズルを、地面の石やコンクリートなど硬い物にゆっくりと強く押し付ける
- 押し付けている間はガスが出て、離すと止まる。1〜2秒押し付けて数秒やめる、をくり返して少しずつ出す
- ガスが出なくなり、振っても「シャカシャカ」という液の音がしなくなったら終わり
同会のチラシによると、満タンの1本で10〜15分ほどかかり、ガスが減るにつれて缶が冷たくなります。気温10℃以下のような寒い日は作業に向かないとされているので、暖かい日の昼に回すのが無難です。缶が冷えてガスが出にくくなったら、手で少し温めてから続けます(岩谷産業)。
日本ガス石油機器工業会は、中身の残った缶に穴をあけたり切り込みを入れたりしてガスを抜くことを「絶対にしないでください」と警告しています。ガスが一気に出て止められなくなり、引火して事故になるおそれがあるためです(同会のチラシ)。
長野市のように穴あけを求める自治体でも、穴をあけるのは中身を使い切ったあとです。長野市は、穴をあけるときも火の気のない風通しのよい屋外で、残ったガスが手や顔にかからないよう注意を呼びかけています。
スプレー缶は、カセットボンベと抜き方が違います。2007年4月以降のスプレー缶にはガスを抜くための仕組みが付いているので(長野市)、缶に書かれた方法(ガス抜きキャップなど)に従って中身を出します(福岡市)。仕組みや説明が見当たらない古いスプレー缶は、商品の説明書きを見るか、メーカーのお客様相談室や販売元に聞くよう長野市は案内しています。
穴はあける?自治体ごとの出し方の例
空の缶に穴をあけるか、何ごみの日に出すかは、市区町村で違います。環境省は、中身を出し切ったうえで「穴開けをしない方向が望ましい」と自治体に伝えています(2018年12月27日の通知(PDF))。それでも、スプレー缶とカセットボンベの出し方を聞いた2019年3月時点の調査では、答えた1,563市区町村のうち897(57.4%)が穴あけを実施し、666(42.6%)は不要としていました(環境省の調査(PDF))。
政令市5つと東京23区の1区、穴あけを求める市1つの例です。
| 市区 | 出す日・袋 | 穴 |
|---|---|---|
| 東京都中央区 | 「資源」の日。中身の見える袋 | 穴でガスを抜かない |
| 横浜市 | 「スプレー缶」の日(燃やすごみと同じ日)。燃やすごみとは別の、透明か半透明の袋 | 不要 |
| 名古屋市 | 発火性危険物として、可燃ごみの日に可燃ごみとは別に。資源用の指定袋か、45L以内の無色透明の袋(キャンプ用の携帯ボンベも同じ区分) | あけない |
| 大阪市 | 資源ごみ(缶・びんなどとは別の袋)。透明か半透明の袋 | あけない |
| 札幌市 | 燃やせるごみと同じ日。指定ごみ袋とは別の、透明か半透明の袋 | あけない |
| 福岡市 | 燃えないごみ。「燃えないごみ」の指定袋 | 不要 |
| 長野市 | 「缶」の日。袋は市の分別表で確かめる | 使い切ってからあける |
今回確かめた7市区は、どこも中身を使い切ってから出すよう求めています。出す日はばらばらで、札幌市は燃やせるごみと同じ日に、福岡市は燃えないごみとして出します。反対に、札幌市は燃やせないごみの日、長野市は不燃ごみの日には出せません。長野市は、使い切ったあとに屋外で穴あけ器を使い、1〜2か所あけるとしています。出す前に、お住まいの市区町村の分け方のページか、配られているごみの出し方の冊子で確かめてください。
使い切れない缶・数が多いときの相談先
ガスが残っていて出し方が分からないときは、缶に書かれた製造会社(メーカー)か、日本ガス石油機器工業会の「カセットボンベお客様センター」に聞けます。電話はフリーダイヤル0120-14-9996(平日10時〜16時)です(同会の防災備蓄ガイド)。国民生活センターの見守り情報(2025年1月)も、災害に備えてまとめて買ったボンベが期限切れになり、未使用のまま複数残ったという相談を例に挙げ、製造事業者かこのお客様センターに確かめるよう案内しています(国民生活センター「古いカセットボンベの取り扱いに注意」)。
自治体に持ち込める所もあります。札幌市は、中身を使い切れない缶を清掃事務所・消防署(出張所)・地区リサイクルセンターに持ち込めば引き取っています。横浜市は区の資源循環局事務所、名古屋市は区の環境事業所が相談先です(上の表の各市のページ)。
備蓄を入れ替えるなら:何本・どこに置くか
カセットボンベの備えは、1人1週間で約6本が目安です(農林水産省)。冬は多めに考えます。日本ガス石油機器工業会によると、気温10℃のときは25℃のときの約1.5倍のボンベが要ります(同会)。
| 家族の人数 | 1週間の目安 |
|---|---|
| 1人 | 約6本 |
| 2人 | 約12本 |
| 3人 | 約18本 |
| 4人 | 約24本 |
農林水産省の目安(1人1週間で約6本)から編集部が計算しました。
置き場所は、室内の40℃以下で湿気の少ない所に、キャップをしてしまいます。物置・倉庫・押し入れの奥に入れ込むと、劣化やさびが進み、置いたことを忘れやすくなります。直射日光の当たる車の中など、高温になる所にも置きません(日本ガス石油機器工業会・同会の安全な使い方)。
今回の緊急要請も、ふだん使っている物を多めに買っておき、使ったら補充するよう呼びかけています。ボンベも、鍋や焼き肉で古い缶から使い、使った分を買い足す「ローリングストック」にすれば、7年を過ぎる缶が棚に残りにくくなります。買い足した日を箱に書いておくと、次の見直しが楽です。
実家の片付けでたくさん出てきたら
親の家の片付けでは、何年も前のボンベやスプレー缶がまとめて出てくることがあります。ほかのごみに混ぜず、先に缶だけを分けておきます。カセットボンベはこの記事の順で、スプレー缶は缶に書かれた方法で中身を出し、数が多くて手に負えないときは上の相談先に聞きます。
実家の片付けの全体の進め方は実家の片付けの進め方に、兄弟がいない人の段取りは一人っ子の実家片付けにまとめています。
家具や家電など量が多いときは、不用品回収の業者に頼む方法があります。家庭のごみを運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(か、許可業者との契約)が要るので、見積もりのときに確かめてください。
【PR】一括見積もりなら不用品回収の窓口
不用品回収の窓口は、1回の入力で複数の不用品回収業者に見積もりを頼める一括見積もりのサービスです。利用は完全無料と案内されています(公式サイトの記載)。
不用品回収は、業者ごとに料金の出し方や追加料金の決まりが違います。同じ品目・量・日時で見積もりを並べると、総額で比べやすくなります。紹介された業者にも、お住まいの市区町村の許可か、ごみを運ぶ許可業者と契約の形を聞いてください。
よくある質問
-
7年を過ぎたカセットボンベは使える?
使わないでください。日本ガス石油機器工業会と岩谷産業は、製造から約7年を使用期限の目安にしています。使っていなくてもゴムの部品が古くなり、ガス漏れのおそれがあります。中身を屋外で出してから、自治体の区分で捨てます。
-
カセットボンベは穴をあけないとだめ?
自治体によります。今回確かめた7市区では、長野市だけが使い切ってからあけるとし、名古屋市・大阪市・札幌市はあけない、横浜市・福岡市はあける必要はないと案内していました。お住まいの市区町村の案内に従ってください。
-
中身が残ったまま捨ててもいい?
やめてください。中身の残った缶はごみ収集車の火事のもとになり、今回確かめた7市区もどこも使い切ってから出すよう求めています。使い切れないときは、メーカーかお客様センター、自治体に相談します。
-
ガス抜きはベランダでしてもいい?
しないでください。カセットボンベのガスは空気より重く、ベランダやくぼみにたまります。火の気がなく、風通しのよい屋外の、人のいない所で行います。
-
製造年月日が見当たらない缶はどうする?
使わないでください。国民生活センターは、製造年月日が分からないものは使わないよう呼びかけています。屋外で中身を出してから捨てます。
-
カセットこんろにも期限はある?
あります。農林水産省の家庭備蓄のガイドは、こんろの使用期限を約10年としています。製造年の見方は、本文の使用期限の節にまとめました。
この記事について
この記事は、ロハスル編集部が、業界団体・メーカー・官公庁と7市区の公式の案内を確かめて書きました。すべての自治体の分け方を調べたわけではありません。編集の方針は記事制作ポリシー、運営会社は運営企業をご覧ください。
防災庁の緊急要請:防災庁「事前防災徹底のための緊急要請」(2026年11月2日)
日本ガス石油機器工業会:カセットこんろとカセットボンベは経年劣化します、防災鍋をつくってみよう(10月7日はカセットこんろ・ボンベの日)、カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方、カセットボンベ廃棄時の「ガス抜き」のやり方(PDF)、防災備蓄ガイド(PDF)
岩谷産業:カセットこんろの使用期限・カセットボンベの使用期限と処理方法、ご注意ください!このようなカセットボンベは使えません!!(PDF)
官公庁:国民生活センター「錆によりガスが漏れたカセットボンベ」、国民生活センター「古いカセットボンベの取り扱いに注意」、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」、環境省の通知(2018年)、環境省の調査(2019年)、東京消防庁「誤ったごみの分別により火災が発生!」


